ちょこっと日々のこと

今まで生きてきた私の中にあるもの

絹づれの音

着物を畳む所作が好きです


襟を合わせ 脇を合わせ

袖を畳んで 折り返す

パンパンと手で押えると 

四角い布の重なりになります


何枚でも重ねられて

キチンと角角を重ねて折りたためば

皺になるとこはありません 

これは究極のコンパクト


ほどけば真っ直ぐな布になる

のれんにだって

布巾にだって 雑巾にだって

オシメにだって

戦時中はモンペにもなって


着物を着るときの音が好きです


シュッと紐をしばる音

着物を肩から掛けて 両手で広げて

裾の具合いを見る…

今日の着物だと足袋がどの位出たら良いか


一番大事な襟合わせ

ここの空き具合で

両家の奥様にも ご商売の方にもなる

半襟をどのくらい出すか…


私などまだまだまだ…

毎日着慣れていらっしゃる方は

立ち姿が違います



昔「ふぞろいの林檎たち」で

時任三郎演じる大学生の狭いアパートに

京都の名家である実家から

母が一人泊まりに来るシーンがありました


帰る朝 雑多な部屋の片隅で

息子の目の前で

上品な母は器用に、テキパキと

しかも優雅に着物を着てゆく…


その絹づれの音が素敵でした


それに憧れていたのでしょう

当時東京に居た息子を頼って上京した時

私は新幹線に大島紬で乗りこみ

そのままサントリーホールへ向かいました


駅に向かいに来た息子が

「なんで、、着物!?」

って驚いていた顔が忘れられない…(^_^;)




皆さまいつもご訪問ありがとうございます


またしばらく

お休みさせていだだきます