旅情
初めて観たのは
レンタルビデオが出始めの頃だと思う。
(この映画もスクリーンで観てみたい)
たぶん20代前半だった。
恋に縁のなかったアメリカの女性が
イタリアのベニスへ夏のバカンスに。
ヘプバーンといえばオードリーも大好きだけど、この映画のキャサリン・ヘプバーンも好き。
最初はワクワクだったのに
一人でお茶、一人で食事…
せっかくの美しい景色も味気なくなってくる。
そんなとき現れた中年男性。
イタリア男の恋の手管。
彼が実は既婚者だった事が判って彼女は躊躇する。
その時の男のセリフ
「お腹が減ったときにパスタを出されたら、ステーキが食べたくともパスタを食べなさい」
騙しておいておい、おい!とツッコミたくはなるけれど、わかる気もする。
ずっとステーキを待っていたらお腹が空いたまま。
ひもじいままで人生は終わるのだ。
美味しいパスタだったら我慢せず食べれば良いのではないか。
(マズいのは食べなくていい!!)
勿論これから奥さんが出てきて
ぐちゃぐちゃの修羅場になったりとかは無い。
彼は彼女に「恋の美味しい部分」だけを味あわせてくれた。
そして彼女はイタリアを去るのだ。
「私はこれまでいつもパーティーで帰りそびれていたの。あなたのおかげで、私は大人になったわ。いつ帰ったらいいかが分かったのよ。」
この映画を観てから
ベニス(ベニチア)という街がずっと気になっている。
「沈む街、ベニス」
というフレーズを昔CMで観たことがある。
今もそうなのだろうか…
1955年公開 イギリス