追憶
映画のテーマ曲と言われて
私が頭に浮かぶのは
バーブラ・ストライサンドのこの歌声。
当時のハンサムの代名詞だった
ロバート・レッドフォード。
私はどちらかといえば昔
ポール・ニューマン派だったけれど
この映画だけは別だった。
大学では一番華やかなグループの彼。
家柄が良くてスポーツマンであのルックス。
ユダヤ系の勤労学生で
しかも政治運動をしている彼女とは
何の接点もなかったし表向きでは
彼女は彼らのグループを馬鹿にしていた。
けれども実は
彼の小説の才能の素晴らしさを認めていて
ずっとその想いを秘めていた。
彼も彼女のひたむきさに惹かれていた。
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大好きなシーンがある。
二人が卒業後にバーで偶然出会う。
レッドフォードは白い軍服姿で
カウンターの椅子に座ったまま眠っている。
彫刻のような美しい横顔に
ひとときバーブラが見とれている。
学生時代の思い出が甦る…
光に透ける絹糸のような
ブロンドの前髪にそっと手を触れる…
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学生時代のクルクルの天然パーマを伸ばして
今はすっかり美しくなっている彼女。
「知っているかい?君は美しい。」
すると彼女は彼に言うのだ。
"You are."
「あなたこそ。」
当時の彼には
この言葉がすんなり似合ってしまう。
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ずっとずっとずっと想い続けた人と
初めて結ばれた幸せ。
何度も見ているはずなのに
今観ても切ない気持ちになる。
1973年 アメリカ